福井民主新聞1504号

2017-4-15日発行 1504号
1.「共謀罪」法案 廃案に 安倍政権に〝レッドカード〟

 新日本婦人の会県本部は十二日、安倍政権に〝レッドカード〟を突きつける宣伝行動「女性のレッドアクション」を福井市のJR福井駅西口近くで取り組みました。多田初江会長や藤岡ひとみ事務局長らが赤いジャンパーなどを身にまとい、「共謀罪」法案に反対する国会請願署名を呼びかけました。日本共産党の金元ゆきえ県書記長(衆院1区)が参加しました。
多田氏らは共謀罪法案を告発し、「思想、良心、言論の自由などの基本的人権を侵すことになる」「盗聴、盗撮、尾行、メール、LINEなど、日常的に監視の対象になる」と訴えました。
福井市の女性(二一)は「安倍さんに文句を言う人の口封じということですね」と話しました。

2.ヒバクシャ国際署名に協力を

 原水爆禁止県協議会は六日、「69行動」を福井市のJR福井駅西口近くで取り組み、「ヒバクシャ国際署名にご協力を」と呼びかけました。齋藤治孝県原水協事務局長や山岡直文・県被爆者団体協議会会長らが通行人らに訴えました。(写真)
齋藤氏は、北朝鮮の新型ミサイル発射の暴挙を非難する一方、ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器禁止条約の交渉会議(第1会期)の歴史的意義を強調し、「核のない世界へ人類は大きな一歩を踏み出すことになる」と訴えました。同時に、唯一の戦争被爆国でありながら同交渉に参加しなかった日本政府の態度を厳しく批判しました。
署名に協力した女性(七六)「核はあかん」、福井市の女性(三八)は「核兵器は賛成できない。日本政府には出てほしかった」と話しました。「署名させて」と寄ってきた女性(六七)も「核は絶対だめ。原発も反対」と言いました。

3.再稼働は慎重審議を 住民団体が県に要請 高浜原発3、4号機
 原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会などは十二日、再稼働に向けた動きが強まっている関西電力高浜原発3、4号機(同県高浜町)に対する県原子力安全専門委員会などでの慎重審議と、住民説明会を求めて県と高浜町に要請しました。
高浜3、4号機に対しては、大阪高裁が、運転差し止めの仮処分を取り消す不当決定を行いました。また、関電が、高浜2号機で一月に起きた大型クレーン倒壊事故を受けて安全管理の総点検結果と今後の安全管理体制について報告し、県はこれに理解を示しています。
県議会議事堂で行われた県への要請には、渡辺孝・嶺南センター代表委員や、日本共産党の、さるはし巧県委員(衆院2区)、金元ゆきえ県書記長(同1区)らが参加し、佐藤正雄県議が同席しました。
渡辺氏らは、昨年二月に起きた4号機の原子炉緊急停止についても「原子力規制委員会の保安検査と県原子力安全専門委員会の審議は継続中であり、再稼働について判断できる状況ではない」と強調しました。
応対した山田清智原子力安全対策課参事は「要請は上司に伝える」とのべる一方、3、4号機については、一昨年十二月の西川一誠知事の同意をもち出し、「(すでに)再稼働に同意した経緯がある」としました。
渡辺氏らは「同意した後にトラブルは起きている」と厳しく指摘し、県が回答する場を再度設けるよう求めました。

4.原発再稼働反対
 「再稼働反対」。原発再稼働に対する定例の抗議行動が七日、福井市で行われ、関西電力地域共生本部の前や集会や県庁周りのデモ行進で声が上がりました。
集会では、島崎邦彦・前原子力規制委員長代理の証人尋問が二十四日にある関電大飯原発運転差し止め訴訟の控訴審(名古屋高裁金沢支部)に対し、「名古屋や関西から傍聴の申し込みが相次いでいる。地元福井からもたくさん参加を」との呼びかけがありました。

5.北原氏3期目 若狭町議選 無投票

若狭町議選(定数十四、二減)が十一日告示され、立候補者数が定数と同数のため無投票となり、日本共産党の北原武道氏(七二)=現=が三期目の当選を果たしました。         (写真)
北原氏は同日、選挙事務所前で、集まった支持者らを前に第一声を行い、近隣の市町の十五基の、どの原発からも30㌔圏にかかる若狭町に切実な原発ゼロを訴え、「福島原発事故で『安全神話』は崩れ、電気は足りており、『必要神話』も崩れた」と強調しました。また、治安を心配する声が住民から上がっている場外馬券・車券売り場建設問題に対し、「ギャンブルで栄えた地域はない。地域から、お金が流出していく」と、反対の立場を示しました。
議会新分野は次の通り。(カッコ内は前回)▽共1(1)公1(1)無12(14)、定数2減、議席占有率7・14%(6・25%)

6.廃案に追い込もう 「共謀罪」法案 永平寺9条の会
 「共謀罪の本質をもっともっと知らせて語って廃案に追い込もう」。永平寺町の「永平寺9条の会」は九日、「永平寺春の平和まつり」を同町内で開きました。
茂呂信吾弁護士が「共謀罪 狙いはもの言えぬ監視」と題して講演を行いました。茂呂氏は、安倍政権がオリンピックのテロ対策を口実にしている一方、二〇一三年九月七日オリンピックのプレゼンでは「世界一安全な東京」と語っていることを紹介。世界に向かっては安全と言い、国民に向かってはテロに狙われると危機意識をあおる卑劣な二枚舌を告発しました。
アカペラグループのうたごえが参加者を癒しました。

7.南越革新の会宣伝
南越革新の会は十五日、越前市のJR武生駅前で、「共謀罪」法案に反対する宣伝・署名に取り組みました。開始から今回が百三十回目で、この日は広田精利代表世話人ら4人が参加。
広田氏はハンドマイクで、「安倍内閣は戦争に反対する国民の声をおさえるために『共謀罪』法案を国会に出して強行可決をねらっています」と告発し、「世論を高めて廃案に追い込みましょう」と呼びかけました。
二人の子を連れた三十代女性=越前市=は「子どもが小さいので、平和な世の中になってほしいです」と話しました。

8.歴史的な国連会議 核兵器禁止条約の実現へ

核兵器禁止条約の実現に向けて三月に開かれた国連会議の歴史的意義をテーマにした講演会が十五日、福井市内で開かれ、約四十人が参加しました。同会議に参加した川田忠明・日本原水協全国担当常任理事を迎えて、福井県原水協が主催したもの。           (写真)
川田氏は、まだ一万四千九百発の核兵器があり、トランプ米政権の誕生で危機が強まった世界の現状にふれる一方、今回の国連会議の歴史的意義を強調しました。紹介したのは、第1会期の今回の会議でエレン・ホワイト議長が、六月一日までに草案を提示し、第2会期終了の七月七日までに条約を採択させたい決意を表したことです。
川田氏は、被爆者の訴えと日本原水協の発言が感動を広げたことを報告し、「(条約が)年内に実現する可能性がある」とのべました。そのうえで、条約実現により、「核兵器が人類史上初めて違法化される」とし、核兵器の所有・開発・実験や、核戦争計画立案・訓練などへの参加、核兵器の持ち込みや通過が禁止されると説明し、ヒバクシャ国際署名の取り組み強化を呼びかけました。
参加者からは「すごい勢いで進んでいることに感動した。これまで一生懸命にやってきたことが実を結ぼうとしている」「今年の福井の平和行進は(第2会期の)交渉が行われている中で取り組まれる」との感想が出されました。
9.原発ゼロ
 原発ゼロをめざす市民行進が十一日、福井市で実施されました。原発問題住民運動県連絡会の主催。
 大阪高裁が、関西電力高浜原発3、4号機(高浜町)の運転差し止め仮処分を取り消す不当決定を三月末に行い、再稼働の準備が始まる緊迫した情勢となっています。
 参加者らは「核のゴミはいりません」「原発ゼロの日本にしよう」などと訴えて行進しました。
10.県内での戦争礼賛論の一掃を164 個人の尊厳を否定
 「改憲案」が現行第二四条の最初に、「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」という文言をわざわざ書き加えたのは何故でしょう。

 「改憲案」全体の文脈のなかで読み取る
 これだけを読んでも、その意図するところがなかなかわかりませんが、「改憲案」全体の文脈のなかで読むと明瞭になってきます。「改憲案」はまず、国民主権と侵略戦争への反省、不戦平和の誓いを謳った日本国憲法前文の全文を削除しています。そのうえで、日本を「長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家」であると位置づけ、この「良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するために、ここに、この憲法を制定する」と表明しています。そして、「国家を形成する」のは家族や社会全体であるとして、国民には「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、助け合」うことを求めているのです。さらには、現行第一条の「天皇は、日本国の象徴」の条文に、「天皇は日本国の元首」であると書き込み、第一三条の「すべて国民は、個人として尊重される」の「個人」から「個」の一字を削除し、「人として尊重」という表現に変えています。
 日本国憲法第二四条、第一三条の否定
 「改憲案」のこれらを見てわかることは、改憲論者があえて「家族」を「社会の基礎的単位」として位置づけ直した意図が、家族関係を「個人の尊厳と、両性の本質的平等」に基いて再建するという日本国憲法第二四条と「個人」の尊厳を謳った第一三条を否定し、先に見た『国体の本義』に代表される古い価値観を復活させることにあるのは明らかです。
 さらに、「改憲案」では国の責任を放棄しています。先に見た「世界人権宣言一六条三項」には、「家族は、社会及び国の保護を受ける権利を有する」とあり、家族を尊重する責任は社会であり国であることを明確にしています。ところが、「改憲案」は、家族を尊重する責任は「国」ではなく、「家族の助け合い」にあるとしているのです。
私がもう一つ重大と思うことは、家族が助け合っているかどうかを一体誰が判断するのかという問題です。家族が仲良くしているか、助け合っているかは、それぞれの家族のプライバシーに関わる問題です。ところが、「改憲案」の規定では、国が個々の家族が「助け合っているかどうか」を判断することも可能になります。そうなれば、家族は権力によって日常的に監視され、「助け合っていない」と判断された家族には、「助け合い」が強制されることにもなりかねません。
 稲田朋美氏の「自助、共助」論、「選民」「愚民」思想
 自民党の「日本国憲法改正草案Q&A」は、「改憲案」で「家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」と明記したのは、「『自助、共助の精神』を言うためだと説明していますが、これはまさに、「改憲案」が国の社会保障の責任を否定して、国民の自助・自立を説くものであることを示しています。これをもっとはっきりと、露骨に語っているのが稲田朋美氏です。稲田氏の著書『私は日本を守りたい』のなかに、平成一八(二〇〇六)年、稲田氏が「産経新聞」「正論」に寄稿した「格差批判の裏に拝金主義はないか―『小さな政府』の真意を見誤るな」という、当時の小泉構造改革についての評論が掲載されています。少し長くなりますが、引用します。
「本来の意味での『小さな政府』とは、自主独立、個人の尊厳を重んじ、公的援助は最小限にとどめ、その上で経済を成長させること。すなわち国家の繁栄こそ最大の社会福祉という考え方で、私も基本的にはこの考えに共感している」、「日本が目指すべきは、日本独自の道義大国としての『小さな政府』であろう。自助、共助で『格差』を埋められる社会であり、さらには『格差』を格差と感じない社会である」、「『格差』批判には金銭主義が見え隠れする。所得格差を国の力で埋める考えは社会主義的発想にほかならない。所得がすべてではない。精神的豊かさで他に優越すれば、所得格差は決定的格差ではない。和歌や俳句を作りながら田園に生きるというのもひとつの美しい生き方だろうし、そういう価値観が日本本来の精神文化であった」、「どのようにして道義大国としての『小さな政府』を目指すのか。突き詰めれば『モノに対する精神の優越』『公の精神』『道徳』などを教える国民教育である」、「自助・自立の精神に基づく小泉構造改革が目指しているものは正しい。ただし、それは車の両輪としての道義大国・日本が実現されてこその『小さな政府』である」、などです。
この評論を読むと、稲田氏が一〇年以上も前から、社会福祉は「公的援助」ではなく「自助、共助」によって実現するという持論を展開していたこと。そして、それがそっくりそのまま改憲論の論拠となり、「改憲案」に盛り込まれ、「改憲案」の太い骨子になっていることがよくわかります。さらには、稲田氏の思想の根本に「選民」「愚民」思想があることが改めてよくわかります。稲田氏がここで言っていることは、自分たち為政者は選ばれた特別の存在であり、国民は「おろかで無知な民衆」である。「愚民」は政治を批判したりせず、「和歌や俳句を作りながら田園に生きよ」ということです。このような人に、国会議員の資格がないことは明らかです。

   (つづく 南 秀一)